■公開講座

ロシアと清朝を脅かした

最後のモンゴル遊牧帝国

講師 東京外国語大学講師 宮脇 淳子

モンゴル語で「左翼」という意味のジュンガル部族は、17世紀後半、今の新疆ウイグル自治区北部を本拠地として、モンゴル国からシベリア、中央アジアを勢力下に置き、タリム盆地のイスラム教徒を支配した。その同族はダライ・ラマの要請を受けてチベット王となり、一方ヴォルガ河畔に移住した者たちはピョートル大帝の同盟相手にまでなった。しかし、古くからの遊牧帝国と同様、継承争いによってジュンガル帝国も18世紀半ばに内部崩壊し、この機を利用した清朝に討伐されて滅び去った。ジュンガルが支配した中央アジアは、こうして清朝とロシアに分割されたのである。 (講師・記)

☆テキスト:宮脇淳子著『最後の遊牧帝国 ジューンガル部の興亡』(講談社選書メチエ)は、開講日に希望者のみ、7階の事務所カウンターで販売します。
<講師紹介>宮脇 淳子(みやわき・じゅんこ)

1952年、和歌山県生まれ。京都大学文学部卒業、大阪大学大学院博士課程修了。専攻は東洋史。大学院在学中から、岡田英弘東京外国語大学名誉教授からモンゴル語・満洲語・中国史を、山口瑞鳳東京大学名誉教授からチベット語・チベット史を学ぶ。東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所共同研究員をへて、現在東京外国語大学・国士館大学非常勤講師。著書に『最後の遊牧帝国 ジューンガル部の興亡』(講談社選書メチエ)、『モンゴルの歴史』(刀水書房)、『世界史のなかの満洲帝国』(PHP新書)、共著に『中央ユーラシアの世界』(山川出版社)などがある。

日 時 2007年6月7日 木曜日 13:00~15:00 全1回

受講料(税込み) 会員 2,940円 一般 3,570円(入会不要)
場 所 新宿住友ビル7階 朝日カルチャーセンター(申し込みは4階受付)
※お申し込みの際にご記入いただく皆様の個人情報は、受講連絡をはじめ当社からの各種お知らせ、講座企画の内部資料として使わせていただきます。

朝日カルチャーセンター・新宿